こんにちは!高校教員のあかべらです。
先生方は今の仕事内容に満足していますか?
教員は子どもの成長を間近で感じられ、やりがいのある仕事です。
その一方で、
業務量が多くて毎日サービス残業
土日は部活で休めない
副業したいけれど公務員だからできない
といった悩みを抱えている先生もいらっしゃいます。
このような悩みを解決する働き方が、「非常勤講師 × 個人事業」です。
教員には正規・非正規の仕事があります。
非正規の教員には下の表のように、さまざまな働き方があります。
勤務形態 | 仕事内容 | |
産休・育休代替、期限付任用 | フルタイム | 正規教員と同じ |
非常勤講師 | パートタイム | 授業と校務分掌の仕事の補佐、若手の育成 |
時間講師 | パートタイム | 授業のみ |
本記事で取り上げる非常勤講師は授業と校務分掌の仕事の補佐、若手の育成を担うパートタイムの教員です。
正規の教員よりも勤務時間が短く、仕事の負担も少ないため、時間に余裕が生まれます。
その空いた時間で個人事業をします。
個人事業とは、雇われて給与所得を得る働き方ではなく、事業所得を得る働き方です。
授業や児童・生徒との関わりは好きだけど、仕事量が多くて困っているという先生におすすめの働き方です。
また、「非常勤講師 × 個人事業」の働き方は、非常勤講師で最低限の収入を得つつ、個人事業で収入の増加・爆発を狙う攻めと守りのバランスの取れた働き方です。
もちろん、教員の仕事が嫌であれば、転職することをおすすめします。
この記事を読むことで、「非常勤講師 × 個人事業」の魅力や注意点を知ることができます。
※本記事では東京都の非常勤講師(日勤講師)を事例に考えます。
この記事をおすすめしたい人
・今の働き方に不満を持っている先生
・副業にチャレンジしたい先生
非常勤講師の勤務時間と報酬及び身分(東京都の場合)
まずは、東京都を例に非常勤講師の勤務時間や報酬について確認しましょう(東京都教育委員会HP)。
東京都では日勤講師と呼んでおり、2種類の働き方があります。
年間勤務日数 | 勤務時間 | 報酬 | |
Ⅰ型 | 192日(月平均16日) | 7時間45分 | 194,400 |
Ⅱ型 | 216日(月平均18日) | 5時間 | 141,100 |
非常勤講師の身分は地方公務員法22条の2第1項第1号に基づく会計年度任用職員です。
公務員は地方公務員法により副業が制限されています。
公立学校の教員の場合、教科書・問題集の執筆などで副業が認められることがありますが、そのハードルは低くはありません。
そのため、副業をしたいと思っていても、やらない(やれない)方が多いと思います。
非常勤講師を含む会計年度任用職員はパートタイムであれば副業が認められています。
会計年度任用職員には、(中略)地方公務員法(中略)上、一般職に適用される各規程が適用される(中略)。
具体的には、(中略)営利企業への従事等の制限(パートタイム勤務のものを除く。)等が適用され(以下略)
会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)
非常勤講師 × 個人事業 のメリット
時間的余裕が生まれる
教員の仕事は、授業、分掌の仕事、行事の準備、生徒対応、保護者対応、部活動などなど多岐にわたります。
授業が片手間になってしまい、ろくに準備もできない時期もあります。
片手間の授業ではどうしても満足感が下がってしまいます。
非常勤講師は授業と一部の分掌業務だけをすれば良いので、授業の準備に専念することができます。
そうすることで授業の質も高まっていくでしょう。
授業準備を勤務時間内に終わらせることも可能です。
教員の勤務時間長期化の要因の一つである部活動からも解放されます。
正規の教員の場合、全員顧問制の学校もあり、部活動顧問を断るのが難しいこともあります。
私は今まで非常勤講師の顧問を見たことがありません。
非常勤講師が希望していないのに部活動顧問になる可能性はかなり低いでしょう。
部活動については今後地域に移行されていく予定ですが、スムーズに移行しない可能性もあります。
非常勤講師になることで部活動との関わりを断つことができます。
ただし、部活動をやりたくないという理由だけで非常勤講師になるのは全くおすすめしません。
毎日残業して家ではご飯を食べて風呂に入って寝るだけという生活をしていたら人生楽しくありません。
勤務時間を減らすことで時間的余裕が生まれ、それが心の余裕にもつながるのです。
最低限の安定収入を確保できる
教員を辞めていきなり個人事業一本で食べていくというのは、ハードルが高いかもしれません。
非常勤講師をすることでの最低限の安定収入を確保できるので、精神的な負担は軽減されます。
社会保険にも加入できます。
社会保険に加入しないと補償が薄くなってしまいます。
会社員と個人事業主(フリーランス)とで比較してみましょう。
会社員 | 個人事業主 | |
健康保険 | 組合健保、協会けんぽ、各種共済組合 傷病手当金、出産手当金あり 保険料は会社と従業員で折半 | 国民健康保険 扶養の概念がないため、家族はそれぞれ国民健康保険に加入 傷病手当金、出産手当金なし |
年金保険 | 国民年金+厚生年金 保険料は会社と従業員で折半 | 国民年金のみ |
介護保険 | 保険料は会社と従業員で折半 | 国民健康保険とともに支払う |
雇用保険 | いわゆる失業保険制度 保険料は 会社 > 従業員 | なし |
労災保険 | 保険料は会社が全負担 | なし |
会社員から個人事業主になると、国民健康保険料や国民年金の負担に驚くこともあるようです。
特に、国民健康保険は家族全員加入になるので、保険料が高くなりがちです。
扶養家族のいる人は気をつけましょう。
非常勤講師で社会保険に加入できることは、大きなポイントです。
副業で収入の多角化・爆発を目指せる
副業をすることで、収入の多角化を図れます。
これからの時代、収入源が1つだけというのは心もとないです。
何か1つダメでも他に収入源があれば、そこまで慌てることはありません。
副業は収入が青天井に伸びていく可能性があります。
正規の教員の給料は年功序列です。
どれだけ頑張っても上限があります。
あの人(年配の先生)より働いているはずなのに、なんで私の方が給料低いんだ!
ということも起こります。
一方、副業は全て自己責任です。
自分の頑張り次第で大幅な収入増を実現できると考えたらワクワクしますね。
もちろん、うまくいかない可能性もありますが、非常勤講師で安定した収入を得ているので、思う存分チャレンジできます!
非常勤講師 × 個人事業のデメリット
収入が減る
非常勤講師は勤務時間が正規教員よりも少ないため収入が減少します。
また、非正規雇用ですので、翌年度も引き続き雇ってくれるかはわかりません。
非常勤講師になることで減ってしまう収入を個人事業で賄うという働き方ですが、安定感には欠けます。
非常勤講師になるハードルがある
一定の教員経験が必要
非常勤講師の職務内容には若手の育成があります。
経験豊富な教員に退職後も非常勤講師として若手を指導してほしいという狙いがうかがえます。
そのため、大学卒業後すぐに非常勤講師になることはできません。
教員としてある程度経験を積み、若手を指導できるだけの力を持たないといけません。
年齢制限はないので、若くても採用される可能性は十分あります。
採用数が少ない
非常勤講師や時間講師の採用数は予算によって決まります。
非常勤講師は時間講師よりも人件費がかかるので、採用数が多くありません。
正規の教員であれば選考に落ちても、仕事を続ければいいだけなので、リスクなしで選考に臨めます。
個人事業にかけられる時間は多くない
非常勤講師は1日の勤務時間が決まっているので、個人事業を行う時間は限られています。
東京都の日勤講師Ⅰ型の場合、おおよそ週4日(1日あたり7時間45分)の勤務になります。
リスクを軽減するため投資も行う
魅力は理解できても、今までの安定を失うのが怖いと思いますよね。
しかし、毎月3万円の配当金があったらどうでしょう。
配当金3万円+非常勤講師19万円(東京都Ⅰ型)+個人事業∞
大卒1年目の給料くらいは最低限確保できます。
これなら個人事業がうまくいかなくても何とか生きていくことはできそうですね!
月3万円の配当金を得るには、約1,200万円必要です(配当利回り3%で計算)。
大きな金額ではありますが、決して無謀な話ではありません。
正規教員でいる間に投資をして資産を貯めておくことも重要な戦略です。
私の投資遍歴については以下の記事を参考にしてください。
個人事業で何をするか
さて、個人事業に何をするか、悩みますよね。
正規教員を退職するまでにある程度の目処はつけておきたい所です。
おすすめの副業はネットで完結するものです。
初期費用も少なく、失敗しても損失が限られます。
オンライン家庭教師
家庭教師は教員の経験を生かせる仕事です。
時間講師は授業専門の先生なので教科の知識や授業力は高まっていきやすい状況にあります。
これを生かさない手はありません。
塾で働くという手もありますが、塾に雇われるという形態なので、自由からは遠ざかってしまいます。
オンライン家庭教師の仕事を個人事業主で行えば、働き方も自分の裁量で決めることができます。
なぜオンラインなのか?
それは、通勤時間がもったいないと感じるからです。
90分3,000円だったとしても、通勤に往復90分かかったら、実質時給1,000円になってしまいます。
オンラインの場合は移動時間が必要ないので、時間を有効活用できます。
また、お客さんがどこにいるか関係ないので、顧客の幅が世界に広がります。
動画編集
YouTubeやTikTokなど動画をよく見る時代になりました。
動画編集の需要は今後も増えていくでしょう。
動画編集の技術を獲得するまでにある程度の時間はかかると思います。
正規教員を辞めるまでに技術を獲得し、退職後すぐに仕事を始められると安心です。
ブログ
ブログの魅力は収入が青天井であることです。
オンライン家庭教師や動画編集は自分の働いた時間により収入がほぼ決まります。
そのため、ある一定のところで限界を迎えてしまいます。
一方、ブログは広告のクリック数やリンクを経由して商品を購入してくれた人の数が増えれば、収入が増加します。
ブログに使う時間が同じでも収入が増える可能性があるのです。
ただし、ブログで収益を発生させるためにはある程度の時間がかかります。
退職を考えている方は、今のうちにブログを成長させて、いつでも広告を貼れるよう準備を進めていくのが良いと思います。
おわりに
「非常勤講師 × 個人事業」は非常勤講師で最低限の収入を得つつ、個人事業で収入の増加・爆発を狙う攻めと守りのバランスの取れた働き方です。
社会保険にも加入しているので、家族を扶養に入れることもできます。
デメリットもありますが、それを上回る魅力があります。
正規の教員の仕事をしていると、時間に余裕がなく、学校以外の趣味やイベントに参加することが億劫になってしまいます。
学校だけの人生というのも悲しいものです。
色々な経験を積んでいる方が魅力的に見えるでしょう。
人生一度きり。
悔いのないように挑戦していきたいですね!
それでは、また👋
コメント